Welcome to Android 4.3, a sweeter version of Jelly Bean!
本日、Android 4.3(API Level.18) Jelly Beanがリリースされました。
2012.11.13のAndroid 4.2 リリースから9か月ぶりの新バージョンです。本記事は以下のリリースを意訳、追記しました。
- https://developer.android.com/about/versions/jelly-bean.html
- https://developer.android.com/about/versions/android-4.3.html
- https://developer.android.com/sdk/api_diff/18/changes.html
Android 4.3はコードネームJelly Beanが示す通りAndroid 4.1のJelly Beanファーストリリースから数えて
2回目のマイナーリリースです(JELLY_BEAN_MR2)
より速く、より滑らかに、より素早く
JellyBeanは4.1~4.3まで一貫してレスポンスを上げるための取り組みが行われてきました。
今回のAndroid 4.3も応答性を向上させる姿勢に変わりありません。
- 円や丸みを帯びた図形、テキストのレンダリング能力向上
- ウィンドウバッファ制御を改善、画像バッファの高速化を施し、表示時間を短縮
- OpenGL ES 3.0のサポート(Nexus7(2013年モデル)、Nexus4、Nexus10から対応開始)
- Bluetooth スマート(Low Energy)のサポート
- マルチユーザーのアクセス制御機能を搭載。アプリやコンテンツ制御を行えます
位置情報サービス、マルチメディア処理、アクセス制御など各特長ごとの詳細は続きから。
位置情報サービスとセンサ機能の向上:Google Playサービス前提での機能追加
位置情報、センサ機能はGoogle Playサービスをバックボーンに必要とします。
ハードウェアジオフェンシング、センサデバイスのキャリブレーション、誤差の排除などソフトウェアのみでの実装が難しい領域についてSDKとしてAPIが提供され、精度を上げる支援を受けられます。
一方、Google Playサービスの存在を前提とするため、Android 4.3として完全にオープンソースで提供されることは難しいかもしれません。
メディアフレームワーク
新しいコンテンツ配信方法へ対応するため(MPEG-DASHフォーマットなど)、メディアフレームワークをライセンス管理面(DRM対応の拡張など)改善しています。
またVP8エンコーダを搭載、ビデオエンコーダへの入力にSurfaceを利用できるようになりました。たとえばOpenGL ESのSurfaceからストリームを生成する場合、画面表示用のバッファから直接エンコーダにデータを入力できます(メモリ管理がぐっと楽になる)
アプリケーションのUIが変わる
Androidのノーティフィケーション(通知バー)は多くのアプリから利用されてきました。ここには各種通知が集約され、通知バーはアプリを横断して最新の情報が表示される領域となっています。Android 4.3からはノーティフィケーションの通知リスナーを登録して常時、通知状況を監視できるようになります。
ユーザーが許可さえすれば、通知情報をBluetoohデバイスへ送信できるようになります(スマートウォッチのように!)。
Android 4.3から始まるBluetoothスマートデバイス対応との通知連携も視野。
通知バーへのアクセス権についてはユーザーが管理できるようになります。当然アプリごとに許可/無効を制御できます。標準では無効ですが、アプリケーションとして許可してほしい場合は新しいインテントで有効化を促すことができます。
Viewのオーバレイ表示
画面上の項目をドラッグするようにアニメーションを作成するなど、一時的に画面の上に表示する用途でアプリのView構造を汚すことなく利用できます。またTechboosterで紹介した「画面上にアプリの情報を常時表示する」のような手法もありますがこちらはアプリ表示時以外も常時表示する場合であり混同しないようにしてください。
クイックレスポンス機能
ほかにも回転アニメーション(ジャンプカット、クロスフェード)の追加、デバイス反転時のアプリ向き指定、クイックレスポンス機能が追加されました。
特にクイックレスポンス機能はユーザーが端末を触っていなくても動作できるユニークな仕組みです。たとえば電話がかかってきたときに不在メッセージを発信者に送りたい場合、画面をタップしてアンロックしてからメッセージを送る必要がありました。クイックレスポンス機能を使えば電話の着信をトリガーに自動で発信者にメッセージを送ることができます。
セキュリティの強化
WiFi設定でWPA2エンタープライズネットワーク対応、サンドボックスを強化するためSELinuxを採用、特にユーザーIDベースの管理を強化するためMAC(mandatory access control)システムを導入しています。
開発環境はプロファイリング機能を充実
Systraceのログ機能をDalvikのガベージコレクションを含むリソースのロード情報収集などに対応して強化したほか、GPUプロファイリング機能、StrictModeのファイルURI警告(ファイルシステムへのアクセスを検出)が行われています