WP7での印象的な画面レイアウトとしてプリインストールアプリのPeapleアプリなどで利用されている「パノラマ(Panorama)」や、
Settingアプリなどで利用されている「ピボット(Pivot)」やがありますが、今回は基本となる通常の画面遷移を行う方法を紹介します。
画面遷移を行うにあたって、作成するサンプルは2つの画面を持っています。
記事内では「MainPage」と「SecondPage」という具合に呼び分けることとします。
各画面の内容は以下のとおりです。
MainPage
Buttonを押下すると、SecondPageに遷移する。
遷移の際にTextBoxに入力されているテキストデータをSecondPageに引き渡す。
SecondPage
遷移先のページとなる。
MainPageのTextBoxに入力されていたテキストデータをTextBlockに表示する。
それではつづきをどうぞ。
遷移先のページを用意する
始めに遷移先のページを用意しましょう。
VisualStudioの画面右側、ソリューションエクスプローラーから、以下を選択します。
プロジェクト名を右クリック → 追加 → 新しい項目
表示されるポップアップウィンドウから、以下を選択します。
Windows Phone 縦向きのページ
以上の操作で、新しいページを追加することができます。
下図のように、SecondPage.xamlが表示されていることと思います。
WP7のプロジェクトでは、画面ごとにhoge.xamlが用意され、
画面の操作用の為のソースコードとしてXAMLごとにhoge.xaml.csが用意されます。
XAMLのデザインビューより、ボタンなどをダブルクリックすることで表示されるソースコードはこのhoge.xaml.csになります。
NavigationServiceクラスのNavigateメソッド
画面遷移の方法は非常に簡単です。
画面遷移には、以下表のNavigationServiceクラスのNavigateメソッドを使用します。
NavigationService.Navigate(Uri toUri)
引数 | 用途 |
---|---|
Uri toUri | 遷移先のUriを指定する |
サンプルでの指定方法は以下のとおり。
MainPage.xaml.cs
private void button1_Click(object sender, RoutedEventArgs e) { NavigationService.Navigate(new Uri("/SecondPage.xaml?msg1=" + textBox1.Text, UriKind.Relative)); }
ソースコード3行目のように、テキストデータをSecondPageに引き渡す為、Uriの中に含めています。
また、”/SecondPage.xaml?msg1=(変数の中身)”という具合に、msg1という変数にtextBox1に入力されたデータを引き渡しています。
Uriに含まれたテキストデータを取り出す
ページを移動する場合に呼び出されるメソッドとして、以下メソッドがあります。
メソッド名 | 呼び出されるタイミング |
---|---|
PhoneApplicationPageクラスOnNavigatedToメソッド | ページが呼び出される際にコールされる |
PhoneApplicationPageクラスOnNavigatingFromメソッド | 次のページが呼び出される際に呼び出される。(buttonのクリックメソッドよりも先に呼ばれる) |
PhoneApplicationPageクラスOnNavigatedFromメソッド | 次のページに切り替わる直前に呼び出される。 |
SecondPanel.xaml.csに「ページが呼び出される際にコールされる」メソッドである、OnNavigatedToメソッド内で
テキストデータを取り出します。
テキストデータは、NavigationContext クラスの QueryStringに格納されているため、以下メソッドで取り出すことができます。
NavigationContext.QueryString.TryGetValue(String key, out msg) | |
---|---|
String key | Uri内にて、?の直後に挿入した変数名 |
out msg | 取得するデータの格納先を指定する |
サンプルでは、以下の様に記述しています。
SecondPage.xaml.cs
protected override void OnNavigatedTo(System.Windows.Navigation.NavigationEventArgs e) { base.OnNavigatedTo(e); // 格納先の変数準備 string inputVal = ""; if (NavigationContext.QueryString.TryGetValue("msg1", out inputVal)) { // textBlock1にて取得したデータを表示 textBlock1.Text = inputVal; } }
4行目:格納先の変数を作成し、initializeを行っています。
6行目:TryGetValueメソッドを用いてQueryStringからデータを取得しています。取得できない場合はfalseとなります。
9行目:取得したデータをTextBlockに表示しています。